※本記事はLIZER LAB様から製品を提供いただいて掲載しています。
※レビュー記事内容については狐丸自身の感じた通りに書かせていただいています。
JIJUFINをレビューしていた事がきっかけで、なんと最新プロジェクトでお披露目される最新JIJUシリーズのJIJUJET-2を使用させていただく機会をいただけました!
早速、JIJUFINとJIJUJET-2はどう違うのかみていきたいと思います。
更新
まとめ
- JIJUシリーズの最新作でJIJUJETがアップデート
- JIJUFINと比べてフェーズプラグが小型化されて耳に金属部品が耳やTWSの充電ケースにぶつかりにくくなりました
- イヤーカップも黒から半透明の白色になり、カジュアルな見た目に
- JIJUFINはライブ音源、JIJUJET-2はボーカルのあるCD音源と相性が良さそう
- 空間に広がる音楽体験とボーカルをしっかりと聞きたい方にJIJUJET-2がおすすめです
音の鳴っている場所を頭の外側にするイヤーピース
このページ見る方はどこかでJIJUシリーズに興味を持っていてどんなものかを知っている人も多いと思いますが、一応どんなものか自分の理解している範囲でまた書かせていただこうと思います。
JIJUシリーズの製品がどんなものか知ってるという方は下のJIJUJET-2の項ぐらいまで適当に読み飛ばしちゃってください
イヤホンは音の発生源が耳の穴の中に入れた状態で音が鳴るのでどうしても音のスイートスポットが頭の中心にきてしまい、頭の中心で音が広がります(頭内定位)。
JIJUシリーズはイヤホンでも特許も取得された技術を使い、頭の外側から音が響いているような広がりを再現してくれる(頭外定位)イヤーピースです。
なお、どちらが優れているという話ではないのでその点はご注意を。
頭内定位は音が明瞭で迫力が出るような傾向があって音楽に集中しやすく、イヤホンの音として一般的な音と感じやすいです。
その一方、頭外定位は頭の外側から音が鳴っているように感じられることで空間の広がりを感じられるのでより自然な音として捉えられたり、臨場感が高まる、頭の中心で響くよりも長時間聴いてても聴き疲れが起きにくいといった特徴があります。
どちらの音が正しいという事でもないですし、どちらにもそれぞれが好みという人がいますのでご安心ください。
JIJUシリーズの頭外定位の仕組み
JIJUシリーズは第5弾になりますが、どのシリーズでも頭外定位を再現する仕組みの基本は同じです。
人が音を認識するのは外で鳴っている音は耳介(いわゆる耳)に当たって反射し、耳珠(じじゅ)という部位に集められます。そこから外耳道(いわゆる耳の穴)に反射・増幅をしながら鼓膜まで届いて音として認識するというのが音が聞こえる基本的な仕組みになっています。
前後左右のどこから聞こえるという情報はこの音の反射する角度で人の頭が処理・判断しているわけです。
写真の赤丸がついているところに穴が開いているのがわかるでしょうか。
JIJUシリーズではイヤホンから出力された音の一部を耳珠に当てて反射させ、左右の情報しかなかった音に前方という情報を付加する事で前方から聞こえるという位置情報を加えて頭外定位を実現しています。
ソフトウェア/ハードウェア
イヤホンの音に立体的な情報を加えることで頭外定位を与えるという仕組みは他にもあって、いわゆるバーチャルサラウンドがそれに近いです。
イヤホンメーカーが独自に実装されているものもあれば、ソニーの360 Reality AudioやAppleの空間オーディオといった規格化されたものもあります。空間オーディオはApple独自といえばそうなっちゃいますが。
その他にも、サラウンドとは言わないまでも、NUARLが採用しているHDSSといったあくまで音場の広がりを加えるというものもあります。
これらはソフトウェア、つまり音が耳から鼓膜に到達するまでにどんな反射をするかを計算してイヤホンから出る音を調整しています。
ただし、人の耳の形というのは十人十色で人によって違います。耳介認証という生体認証の仕組みがあるぐらいです。
耳の形が違うと前から鳴っていると認識する音の角度も人によって違うので、ソフトウェアで計算された音ではうまく情報を加えられない事があります。
その一方、JIJUシリーズでは耳に音を当てて実際に音を反射させるという、ハードウェア的な方法で情報の付加を行っています。イヤホンという構造上耳介ではなく耳珠に音を当ててということになりますが、実際に前方と認識する反射の仕方をするため、より多くの人に音の広がりを体感させる事ができるようになっています。
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とはいえ、ソフトウェアの方も360 Reality Audioや空間オーディオでは耳介の写真をスマホで撮影して音がどう反射するかを計算してソフトウェアに反映させることで精度を上げる進化をしています。
ただそれでも、あくまで対応しているOS、ソフトウェアやイヤホンのみでしか対応できません。
JIJUシリーズはイヤーピースの仕組みで実現していますから、イヤーピースが装着できるものであれば対応ができるという利点があります。
JIJUJET-2
前置きが長々となってしまいましたが、そろそろ提供いただいたJIJUJET-2をご紹介したいと思います。
JIJUJET-2はJIJUFINの前のモデルのJIJUJETの改良品となっています。現行モデルはAmazonで購入が可能です。
上の比較でも触れていますが、JIJUシリーズはシリコン製のイヤーカップと金属製のフェーズプラグに分かれています。以前には非金属のフェーズプラグも試作されていたようですが、JIJUJET-2では引き続き金属製のフェーズプラグが採用されています。
JIJUシリーズは通常のイヤーピースとは前後が逆のカップ方イヤーピースとなっていて広がった部分を耳に入れる使い方になっているので、どうしてもカップ部分に耳垢がたまりやすくなっています。
フェーズプラグは金属製なので下手に濡らしたりできませんが、カップ部分は衛生的にもある程度使ったらフェーズプラグを外して水洗いする事をお勧めします。再びフェースプラグをつけるときはちゃんと乾かしてから装着しないと錆びる可能性がありますから、洗った後片付ける時も注意してください。
あ、あと、JIJUJET-2のフェーズプラグはかなり小さいです。落としたり無造作に置いておいたりすると紛失する可能性があるのでそこもご注意を。やらかしそうになりました
JIJIUJET-2のサイズ
JIJUJET-2の大きさをいつものように手元の道具で計測してみました。
JIJIUJET-2の使い方
JIJUJET-2は他のJIJUシリーズ同様、イヤーカップにあいている穴の部分を耳珠に向けるようにイヤホンに装着します。
上の写真はNUARLのN6 Pro2に装着した写真です。耳珠は耳の前側にあるので、イヤホンの前側に向けると大体間違いありません。
ただ、耳珠から反射したときにどんな角度で反射したものを前と判断しているかは人によって違います。穴と耳珠との位置関係ちょっとずれたからといって真上から聞こえるとか後ろから聞こえるとかといった音にはなりませんが、自分の視線の上側、下側から聞こえるとように聞こえるといった違いは出てきます。
基本的には穴を前を向けていれば大外れはありませんが、ちょっと気になる方はイヤーピースを回して微調整する必要があります。
ちょっと面倒ですが、調整した結果ハマる位置を見つけると広がり方がとても自然になるので面白いです。
余談ですが、穴を後ろ側に向けると確かに後ろから聞こえてくるような感覚になれます。ただし、音全体が後ろから聞こえてくるような反射をしているわけではないからか、少し平衡感覚を無くすというか酔ったような感覚になって正直面白いと言い切れるものではなかったので、使用する際は穴の向きにご注意ください。
JIJIUFINとの比較
大雑把ですが、JIJUFINとJIJUJET-2の違いは以下のようになっています。(現行JIJUJETは持っていないので)
- イヤーカップ黒色から半透明に変更でカジュアルな見た目に
- イヤーカップの軸部分に開けられた穴が2個から1個に変更
- フェーズプラグ(金属部品)がJIJUFINの半円状からJIJUJETシリーズの円錐状に変更(ただしJIJUJETのプラグからも形状が変更されています)
- フェーズプラグがイヤーカップから飛び出さないように小型化
サイズの比較
Mサイズの大きさをJIJUFINとJIJIUJET-2で比べてみるとこのようになります。
サイズ,JIJUJET-2(M),JIJUFIN(M)
カップ外径(A),12.0,12.0
カップ軸内径(B),3.8,4.0
カップ高さ(C),10.4,10.4
カップ厚さ(D),0.8,0.7
フェーズプラグ外径(E),6.5,6.6
フェーズプラグ高さ(F),4.3,5.0
カップ+プラグの高さ,10.4,10.8
カップの方はそれほど大きな違いはないようですが、フェーズプラグは形状はもちろん大きさがだいぶ違うのがわかります。JIJUFINと比べてJIJUJET-2はフェーズプラグの高さが0.7mm低くなったことで、イヤーカップからフェーズプラグがはみ出さなくなっています。
これは単純に背が低くなったというだけではなく、金属部品がはみ出なくなったことで耳に入れた際にフェーズプラグが外耳道に触れる可能性が低くなりました。
JIJUFINはうっかり奥に入れすぎるとフェーズプラグが外耳道を引っ掻いてしまって痛いと感じる事があったので、そうならなくなると使い勝手も良くなります。
装着感の比較
JIJUシリーズのイヤーピースはカップ型の形状で簡単に言って仕舞えば前後逆のような形になっていますが、特に耳を引っかくようなことはないので安心してください。
ただ、カップが受け皿になってしまうため、耳垢はとてもたまりやすいです。掃除はどうしてもこまめにする必要がありますね。
さて、JIJUFINとJIJUJET-2との比較ですが、装着感としてはそれほど変わりません。包み込むようなフィット感ととても高い遮音性でとても優秀な装着感です。
JIJUFINもJIJUJET-2もカップのサイズや形状に特に変化はないので同じように使うことはできるかなと思います。
違う点を挙げるとすれば、耳の奥に入れすぎた場合に中央のフェーズプラグが直に外耳道に当たるかどうかです。
JIJUFINはイヤーカップの先からフェーズプラグが頭を出していたり、半球状の先端で耳にあたりやすくなっています。
そのため耳の奥に入ってしまった場合フェーズプラグの一部が耳に当たってしまい、金属vs外耳道の皮膚という勝負になってしまうことで耳の内部を傷つけやすいです。
その一方JIJIUJET-2だとフェースプラグがイヤーカップからはみ出ていないということ、三角錐型の形状で耳にあたりそうになる部分が少ないということで、耳の奥に入れてしまっても耳に当たる事がかなり少なくなっています。
ちなみに当たったかどうかは耳に硬いものが当たるので硬さでわかるというほか、金属ですから肌に触れると冷たいものが当たったという感覚になるのですぐにわかります。
そもそもイヤープラグが当たるほど耳の奥に入れるのは深く入れ過ぎという事なのですが、何かの弾みで耳の奥に押し込んでしまうということはあるので、安全なことに越したことはありません。
音の比較
JIJUFINとJIJUJET-2では明らかに音の傾向が違いました。
JIJUFINは迫力のある低音があり、比較的広い空間の広がりのある、コンサートホールのようなサウンドが脳内に鳴り響くようなチューニングになっています。クラシックやライブ音源などを聴くとかなり感動できます。
それに対してJIJUJET-2は低音の音はしっかり出ているのですが頭を震わすような振動のある響きまでは出さず、頭外定位はしっかり感じられますがJIJUFINほどの空間の広さを感じられません。
そのかわりというか、ボーカルがとても近くに感じられて演奏に隠れない力強さがあり、高音域も突き抜け感のあるより高い音をしっかり感じられるチューニングになっています。
もちろんJIJUJET-2でもクラシックやライブ音源を楽しんでもいいのですが、ピアノやバイオリンといった楽器の音を感じられる位置が前にですぎて配置が前後逆転してる?というような感覚を受ける事がありました。
それよりもJIJUJET-2に合いそうだと感じたのはJ-POPのCD音源のようなボーカルをしっかり聴かせるような曲ですね。ボーカルが近くに感じられて演奏の後ろに隠れない明瞭さがあるのでとても聴きやすくなります。
以上、LIZER LAB JIJUJET-2のご紹介でした。
お話を受けてどんな音になるのかなと思って楽しみにしていたら、予想以上の変化で驚きました。
JIJUシリーズはJIJUFINからのユーザーなので先代のJIJUJETはわかりませんが、JIJUFINでは重厚なコンサートを聴くようなイヤーピース、JIJUJET-2では日常的なポップス曲を楽しむためのイヤーピースといった、それぞれのキャラクターの違いがとても面白いです。
JIJUFINの音はあまり好きじゃなかったという方にも試してみてほしいイヤーピースだと思います。
JIJUJET-2のプロジェクトは11月12日開始予定となっています。
プロジェクトが開始された後は以下のリンクからプロジェクトのページに移動できるようになります。 (開始されるまではページが存在しないエラーになります)
JIJUJET-2のプロジェクトは以下で開催中です。プロジェクトは 2022年12月17日 まで開催していますが、数に限りがあるものですので気になる方はお早めにどうぞ。
この記事を読んで興味を持ってくれた方は、ぜひMakuakeにてプロジェクトが開始されるのを楽しみに待っていてください!
おまけ
フェーズプラグが飛び出さなくなって実質小さくなったとはいえ、JIJUJET-2は本来有線イヤホン用のイヤーピースです。TWSで使うことは前提とされていませんが、小さくなったことでTWSでもつけたままにできるようになったかも……?ということでいくつかのTWSで試してみました。
JIJUFINも入れられたFalcon Proはほぼ問題ないですが、他のTWSは相変わらずちょっと難しいようでした。
フェーズプラグが飛び出さなくなったことで、蓋を閉めて押し込めばちゃんと使えるものもあるのですが、そもそもカップ型の、先端にいくほど太くなる形状はケースが想定していないのでどうしても押し込まない限りは浮いて充電端子からも離れてしまうようでした
JIJUFINはMakuakeストアにて発売中です。
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