Xの方では色々呟いてましたが、1台で3Dサラウンドを体験できるBluetoothスピーカーのpavé(ペヴェ)を開発しているcear(シーイヤー)さんがGREENFUNDINGにてクラウドファンディングを実行中です。
早速支援購入して完成を楽しみにしつつも、心のどこかではやはり手のひらサイズのBluetoothスピーカー程度ではモバイルスピーカー程度の音質でサラウンドって言っても音場の広がりを感じられる程度のものだよねって思っているところがありました。
そんな中、完全予約制で視聴体験できる機会をCearさんに開催していただける事になり、早速予約したところ無事当選しましたので行ってみたところ……お世辞抜きで衝撃的な体験をさせていただきました。
写真撮影可能なのは一部のみだったのですが、いろいろな聴き方を体験させていただ感想はぜひ広めてくださいって事だったのでこうしてブログ記事にさせていただきました。
まとめ
- Cear Field技術により1台でリアルなサラウンド空間を作り出す、世界初SnapdragonSound対応Bluetoothスピーカーです。
- BLEを活用して無限に複数台連携をしてサラウンド空間を補強したり広げたりすることができます。
- LE-Audioにより20ms以下の低遅延にも対応。対応機器であれば遅延を感じることができないサラウンドを体験できます。
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pavéってどんなスピーカー?
pavéはCearが開発している9.5cm四方の立方体の形をしたBluetooth接続の無線スピーカーです。
世界初のSnapdragonSound対応スピーカーで、aptX AdaptiveやaptX Losslessという高音質なコーデックにも対応するのですが、AACやLC3(LE-Audio)にも対応しているので様々なプレイヤーでこのスピーカーを楽しむことができます。もちろん有線接続もあります。
CearFieldによる立体感のあるサラウンド
これくらいのサイズのスピーカーだと正面から音が出るモノラルスピーカーというのが普通なのですが、pavéはなんと左右にスピーカーコーンが入ったステレオスピーカーとなっています。
おそらくスピーカーにちょっと詳しい方がいたら、こんな構成でスピーカーを作ったらお互いの振動や音が影響しあってまともな音が出るわけないじゃないかって思うかもしれません。ですが、その常識をこのスピーカーはぶち破ってきました。それがCearの特許技術、CearField(シーイヤーフィールド)です。
このCearFieldによってこのコンパクトな筐体ながらも迫力と高音質を兼ね揃えた音を出し、ステレオ音源をリアルタイムに3Dサラウンドへ再構成することでその空間をまるでコンサートホールの中にいるかのような空間へ変化させてくれます。
しかも、面倒な調整やセットアップは必要無し。CearFieldの中(おそらく正面120°ぐらいの範囲)で聴くという条件さえ合っていれば、たとえ持ち歩きながらでも変わらない3Dサラウンドを楽しめます。
置き方で楽しみ方を変える
pavéはとても賢いスピーカーで、スピーカーを90°横に倒してスピーカーコーンが上部に来るようにすると無指向性の360°スピーカーとして動作します。
スピーカーの前に座ってじっくり聴くという聴き方は当然考えられますが、音の左右とかは気にせず音楽が鳴っている空間を楽しみたいって時もありますよね。そんな時はpavéを倒して無指向性のスピーカーとして使うことで部屋全体に音が広がりどこにいても音楽を楽しめるような空間を作る事ができます。
1台で2種類のスピーカーがついているようなものですね。
複数台で連携して使い方を広げる
pavéはそれぞれのスピーカー同士を繋げて同期させる機能があります。
どれぐらい繋げられるのかなと思って聞いてみましたが制限はないとの事でした。
pavéは1台でも十分音楽を楽しめるのですが、複数台繋げることでさらにその楽しみ方が拡張されていきます。
一番わかりやすいのはおそらく2台かなと思います。CearFiledはとても立体的なサラウンドを楽しめるのですが、どうしてもスピーカーが前にある関係で後方からの音は少し弱いのですが、連携させたpavéを後方に置くだけで後方からの音も補完してくれるため、より濃密な3Dサラウンド空間を楽しめます。
さらに、3台目を用意して正面のスピーカーの上に乗せ、スピーカーコーンを自分に向かせることでセンタースピーカーとして使うことや、上を向かせることで部屋全体への音を補完してくれる役割も持たせる事が可能になるそうです。
複数台を横に置くのもありです。横に置くなら2台より3台でセンターと左右に置くのがやりやすいかも。
横に配置することで要するにCearFieldを拡張していく事ができるのでより立体感が増すだけでなく左右に移動しても音が変化しにくくなります。もちろん接続するだけで面倒な設定は無しです。
低遅延
リアルな3Dサラウンドを楽しめるのならゲームにも使いたいと思いますよね。わかります。
そんな使い方のために、pavéは低遅延なコーデックに対応しています。
コーデックならaptX Adaptiveの低遅延モードで50ms以下の遅延に抑える事ができます。これでも大抵のゲームは問題ないのですが、さらにLE-Audioの低遅延モードにも対応しているのでなんと20ms以下の遅延にまで抑える事ができます。
それでも遅延あるんじゃないかと言われればそうですが、おそらくこんな遅延を体感できる人はそういないでしょう。
低遅延、とはまた違いますがpavéは有線接続も対応していますので、絶対遅延許さないマンな方は有線接続という手もあります。もちろん、有線でもCearFieldの3Dサラウンドは健在ですので安心してください。
プロジェクトページの仕様には有線の入力はハイレゾ非対応ですが、発売までにハイレゾ入力も対応したいとの事ですので、音質にもしっかりこだわれるものになりそうです。
連続使用時間
pavéの連続使用時間は現在のところ8.5時間を想定しているそうです。
机の上に置いておくスピーカーと考えたら物足りなさを感じる方もいるとは思いますが、このサイズのスピーカーとしたら十分ではないでしょうか。もう少し大きなスピーカーになれば24時間以上持つものもありますが、そこは大きさや機能とのトレードオフなのかなと。
防水機能
仕様表を見るところIPX5〜6相当のことですが、Q&AでIPX6〜7を目指しているという事です。キャンプなどで屋外で使用する際に安心ですね。
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試聴会レポート
長々と書いてしまいましたが、ここから試聴会に行ってきたレポートです。
試聴会でお二人のスタッフに案内していただいたのですが、とても親切に対応していただいて楽しく過ごさせていただきました。
20分という時間の中、色々な聞き方を試させていただいたので、それぞれで聞いた感想など書いていきたいと思います。
パターン1:正面置き
まずは正面に1台置いた状態です。目視ではあるのですが、スピーカーからだいたい2mぐらい離れたところに座って聞いていたと思います。
この状態でAppleMusicにあるストリーミングの曲を再生してもらったのですが、再生し始めた途端、プロジェクトページにある「初めて聴いた方の表情」そのまんまな感じの顔になってしまいました。
目の前の空間で実際に演奏しているかのような音の広がりと、ただ広がっただけではなく広がった空間の中にそれぞれ楽器が配置されて個別に聞こえる分離感が感じられました。とてもリアルなサラウンド体験で、空間オーディオや360RealityAudioを超えた立体空間を感じる事ができました。
曲を変えてライブハウスのような場所でのギターの弾き語りの曲に変えてみます。
すると、ギターを弾いているアーティストはもちろん演奏と歌が同じ場所に居つつしっかりと個別に聞こえる高い分離感を得られていて素晴らしいのですが、さらに素晴らしかったのが周囲の観客。演奏中に会話したりヤジを入れたりする声がしっかりとそのアーティストから離れて手前側に聞こえるのです。
ライブ音源での空間の楽しさがとてもよく、ものすごくテンションが上がります。
さらに面白いのが音の発生源をスピーカーに感じられないところです。人にもよると思うのですが、音の発生する場所を探してみてもそこにpavéはありません。周囲にサラウンドの空間が広がっていて演奏もそれぞれの楽器などが空間の位置からしか聞こえてこないのでpavé自信を音から感じ取れないのです。これは本当にびっくりですね。
ここでpavéの横に移動したりpavéを回転させたりして横から聞くとCearFieldから外れるのか立体感がなくなり目の前のpavéから音が出ているというのを感じ取れます。左右から出ている音が重要なんですね。
パターン2:手持ち
次は正面に置いた状態ではなくpavéを手に持って聞いてみます。
音楽を鳴らしたまま手元に持ってきていただいたのですが、その間空間の変化をほとんど感じられませんでした。マジでどうやってんの……。
奥で聞いていても手前の手のひらに持ってきていてもサラウンド空間はほとんど変化しないので安定したサウンド体験が得られます。不思議。
今度は手のひらに置いたpavéを顔の周りで移動させてみます。
まずは図のように自分の方を向くように回転させてみたのですが、この範囲での移動でも音の空間を感じられません。
おそらくなのですが、ジャイロセンサーやマイクを内蔵させているのでそれらのデータからCearFieldの調整をしているのではないかと考えられます。賢すぎる。
一方、図とは違ってスピーカーの向きを維持した状態で顔周りを移動させると、さすがに今度は聞こえ方が変化してまるでモノラルスピーカーの音のような聞こえ方をします。それでも結構音が良かったですが。
さすがに顔の横にpavéがあるような状態ではCearFieldの中には入れないのでしょうね。
この時の聞こえ方から、おそらく120°〜160°程度の範囲がCearFieldなのかなと推測しました。
パターン3:前方3台
今度は正面に置いたものと左右に2mぐらい離した位置に置いたものの3台で聞いてみました。
基本的にはpavéをセンターに置いたときとそれほど変わらないのですが、空間がより明確になったのを感じます。
多分聴き比べてみないとわかりにくいと思うのですが、空間が周囲に行くに従ってやはり音は弱くなっていく傾向があります。そこを左右に置かれたpavéが補完して強化してくれるため、より鮮明度が増した空間を楽しむ事ができるようになっています。
また、CearFieldの範囲を広げるといった効果もあるようです。より広い範囲でCearFiledによるサラウンドを感じられるようになるので、広さがとてもあるリビングやサウンドルームなど持っているような羨ましいご家庭では複数台を組み合わせることで部屋のどこでもサラウンドを感じられるような空間を作れるようになるのだと思います。
パターン4:前後配置
今度は前と後ろにpavéを配置するような構成を試してみました。
すると今度は空間で自分の後方から聞こえてくる音がはっきりします。
もちろん1台でも十分に後ろからと認識できる音は出ているのですが、その音がとても鮮明で迫力のあるものにアップグレードします。
これは推測ですが、正面から音を鳴らしているために距離が遠くなる後方の音はどうしても音圧が減衰したように感じられます。そこで背後にもpavéを置くことによって補強されてまるで均一な音圧がpavé同士に挟まれた空間内に作られる、といった感じになるのではないかと思いました。原理がわかってないので違ってるかもしれませんが。
でもこんな効果が背後にもう一台置いて連携するだけで得られるわけですよ。すごいですよね。
パターン5&6:前後配置.1
前後配置のバリエーションとして、3台目のpavéを用意して、前方にあるpavéの上に積み上げるというパターンがあります。
この時の積み方としては、3台目のpavéのスピーカーコーンを自分に向けるか、天井に向けるかという方法があります。
3台目のスピーカーコーンを自分に向けるとそのpavéはセンタースピーカーとして働くそうです。センタースピーカーは映画のセリフやボーカルを鮮明にする役割を持ちます。
一方、スピーカーコーンを天井に向けるとディフューザーのような働きをしてより高音質なサラウンドを楽しめるようになるそうです。
ただ、どちらも調整中とのことで今回は体験することができませんでした。残念。
すでに完成している製品ではないですから、これからの楽しみにしたいと思います。3台目を最初から揃えられる懐事情はないのですが……。
パターン7:ゲーム遅延
最後に、ゲームをしながらpavéの低遅延を体験するということをしました。
pavéはQualcommの最新サウンドプラットフォームであるQualcomm S5 Gen 2を採用することで、LE-Audioの低遅延をさらに向上させる第2世代Snapdragon Soundに対応しています。このSnapdragon Soundでは標準で48ms以下、ゲームに最適化した状態では20ms以下の遅延というまず普通の人にはズレを気付けない時間に収まるようになります。
秋葉原で開催されていた夏のポタフェス2023などでもQualcommがUSBドングルを使ったデモを実施していましたが、それがスピーカーでも実現しているということですね。イヤホンだけでなくスピーカーという選択肢が増えたのはいいですね。
……ドングルも早く一般販売して欲しいです。
それはさておき、実際にゲームを遊んでみました。
遊んでみたのは遅延がとてもわかりやすいリズムゲーム。
太鼓の達人を遊ばせていただいたのですが、それで遊んでみると譜面とのズレが全く感じられず無線スピーカーなのにとてもプレイしやすかったです。
また、PUBGもデモをしてもらって3Dサラウンドによる効果を体感しました。こちらは他のプレイヤーが立てた物音や発砲の音がこの方向のこの距離から聞こえるといったような認識が瞬時にできて臨場感溢れる体験をすることができました。
本当は自分のいつも遊んでるようなゲームでも試してみたかったのですけどね。残念ながらpavéのサラウンドや低遅延を楽しめるようなゲームを手持ちのiPhoneに入れていなかったので……。ROG Allyを持っていってAC6を体験してみたかった……!
もし試聴会に応募された方がこれ読んでいて、自分の遊ぶゲームで聞いてみたいという方は事前に用意して持っていくといいと思います。ただ、pavéと接続するのは用意されたロジックボードで、そのロジックボードとスマホやゲーム機を接続するわけですが、端子はUSB Type-CですのでiPhoneユーザーはご注意ください。
また、普通にpavéとBluetoothで自分のスマホと接続して聴く機会もあります。事前にセトリ作っておくといいかもしれませんね。
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実際に聴くまでこんな凄いスピーカーだとは思いませんでしたので、衝撃の連続でした。
アラフィフのおっさんが年甲斐もなくはしゃいじゃいましたよ。
20万のホームシアターシステムがあの1台に入っていました。
「20万円を超える3Dサラウンドが、いつでもどこでも手のひらに。」の文言は決してオーバーではなかったですね。
まだまだ開発中の製品というところも期待が持てます。
メディアの記事の中には有線の入力でもハイレゾの音を入力できるようにするといっていますし、音質ももっともっと向上させていくとスタッフの方が言っていました。それだけ言い切っているので、向上させる余地があるということですよね。とてもワクワクしています。
実際、今回使用していただいたpavéは筐体がまだ試作品(写真のものではないです)なためボリュームが上がりすぎるとビビリ音(音割れ)が起きていましたが、こちらも製品版ではきっと直してきてくれると思います。
さらなる今後の展開も考えているそうなので、どんなふうにpavéの世界が広がっていくか楽しみです。
そんなCear pavéですが、GREENFUNDINGのプロジェクトでは記事作成時点で720人を超える支援者と目標金額の1000万円の3倍に手が届きそうな270%を超える額の支援が集まっていて大人気なプロジェクトです。
ぜひ興味を持たれた方はプロジェクトページに行ってみてください。私より何万倍も信用できる各デジタル・AV関係のメディアの方々の記事や他のメーカーの方のコメントも載っていてとても参考になりますよ。
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